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シアル酸研究会

Sialic Acids Society

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ごあいさつ

シアル酸は主としてウイルスから脊椎動物にいたる動物の細胞表面にあって、糖タンパク質や糖脂質、ムコ多糖などの複合糖質の構成成分として、重要な生物学的機能を担っております。ヒトの脳ガングリオシドや赤血球の糖脂質、その他の細胞レベルでの生理作用はいずれもシアル酸を含む複合糖質に由来するものとされております。シアル酸はまたレセプター糖鎖構造に必須と考えられ、細胞間の情報伝達などに関与する重要な活性分子と考えられています。このようにシアル酸は生物の殆どに存在して生物進化と共に歩んできたのでありますが、シアル酸が発見されたのは割合に新しく1935年から1940年ころの事であります。しかし、その後の進歩はめざましく多くの事実が明らかになってまいりました。
  最近になって、シアル酸に関する研究は急速に世界中に広まり、細胞工学の基本問題となってまいりました。例えば、Sialyl Lewis X は細胞表面の修復に関与して、抗炎症剤や制ガン剤の開発に大きく関わっております。また、各種のシアル酸誘導体-グリコリポイド-にはガンの転移を抑制するものや、神経細胞を伸展してアルツハイマー症の治療予防が期待されるものがあります。
  インフルエンザは文明の進んだ今日でも、ときとして世界的な大流行があり、多くの人命が奪われます。1961年にはすでに燕窩ムコイドが各種のインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼに活性であることが報告されています。最近になってシアル酸の誘導体である[ザナミビル]がわが国でも使用出来るようになり、インフルエンザに弱い子供や高齢者にとって朗報であります。
  まさに、シアル酸こそは21世紀を担う創薬科学の中心リード化合物となるでありましょう。

シアル酸研究会  会  長:山川民夫
事務局長:小倉治夫

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